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「旅はオススメしない!はもうやめる」

 

 

僕には何人か尊敬している有名人がいる。

小説家の吉本ばななさん、スタジオジブリの鈴木敏夫さん、植松電機の植松努さん、

最近ではキングコングの西野亮廣さんとホームレス小谷くん。

 

なんで尊敬しているか。もし理由を一言で語るならこうだ。

「見つめている視野の広さと、時間の年数がずば抜けている」

からだ。

 

ばななさん、鈴木さんは時代を感じながらも「人が生きる」という普遍的なものを、それぞれの作品で描き続けている。

 

植松努さんは宇宙開発もしているけど、理由のひとつは「これまで人類が飛ばしてきた人工衛星の残骸が地球のまわりにたくさんあり、次の人類の発展のために宇宙ゴミを拾いたい」という自分が生きてる間じゃないことを見つめて動いている。

 

キングコングの西野亮廣さんは次の時代や価値観を見つめて、それを先に行動を起こし「カタチとして見せる」ことで人々を導こうとしている。ホームレス小谷は狙ってないのに、すでにお金の既成概念をまとっていない。

 

これ全部。自分という概念を飛び越している人の行動と生き方。

何かを残そうという感じじゃなくて、ただ自らに向き合い社会を見つめ、命を燃やしている人の生き方。こんな人を見るたび勇気をいただくとともに、自分の情けなさをあらためて痛感するが、それでももらっているものの方が遥かに大きい。

 

 

 

僕はしっかり見失っていた。

自分が人生で成したいことを。

旅を始めた頃は自分だけにベクトルが向いていて、その自己との向き合い、出会い、気づきが知らん間に人の心を動かした。

けどそっから間違えた。伝えたいが最初に来た。伝えるためにはどうするか、伝え続けるためにはどうするか。仕事にする。ここらへんで実は結構ミスっている。

 

表現の価値はおそらく心が動くことだ。そしたら表現者が心動くことが大前提。

しかし、表現者が仕事(いまの価値観・ニーズ)を意識して動くようになると、どっかで見たことある気がするもの、になると思う。だから仕事にしたい、というところでミスってる。けれどもこうして34歳まで続けてこられ、またこのことに気づけたことがありがたい。

 

人の心を動かす。というのは時代が関係ない。

人の心を動かす内容は時代で変わるだろうけど、人の心を動かすことは時代で変わらない。

そしてその大元になるのが、自分の心が動くこと。

 

だから、僕は自分の心が動くことを続けていくことが、ほんまにせんといかんかったこと。

それを役割、使命感、仕事という言葉に置き換え、ごまかし続けて来た気がする。

けど、もうそろそろ出ないとな。このままだと選手生命終わる。間違いない。

 

 

来年は日本の小学校を講演してまわりたい、とこの旅の途中で決めたように書いたが、もうそれはしない。変わった。講演しますよー!はやっぱり自分本位だ。そして、学校をめぐることに必然性がない。僕の活動がほんまに人の心を動し続けるならば、そのうち講演に呼ばれるだけで1年が終わるようになるだろう。

 

ほんで何をするか。日本を旅する。コミュニケーションを生み出す仕掛けを旅に組み込む。ほんでお金(仕事)の概念を、自分のなかで変えてみたい。自分が出会える人にも感じて欲しい。だから来年の旅はお金を持たない(収入を得ない)やり方でやってみようかと今イメージを膨らませている。あーワクワクする。今日は何も食べられなかった、とか今日も野宿だ、とかツラい・・・とかなったらおもしろい。

 

 

 

ここまでも真面目に書いたけど本題。

もう旅をオススメしないのをやめます。

僕は旅で間違いなく人生がシフトした。多様な生き方、価値観、自然観にふれて間違いなく自分の中にいろんなものが入って来たし、それはしっかり息づいている。

 

けど僕にとって旅が「たまたま」そうだっただけで、人にはそれぞれ気づきや学びを得るものがあるだろうから、と僕は旅をあんまり積極的にすすめてこなかった。けど止める。決めるのは相手やんか。自分はやっぱり自分のおいしい料理を出すことを考えないと。

 

旅は素晴らしい。

 

海外ならば物理的に日本を離れるので、もれなく日本を客観的に見つめられる。

 

まわりの人間関係を全部リセットしてのぞめるので、もれなく新たな自分を知る。

 

理不尽なことや、どうしようもないトラブルもちょいちょい起こるので、予定調和で

生きてる日本の生活より毎日心が動く。

 

日本で会えない種類の人に会える。日本ならどんな出会いでも大抵何かのつながりで会うものだが旅で出会う旅人の種類は宿が一緒とかいうだけなので、いろんなことをしている旅人に会える。僕なら医者、モデル、デザイナー、官僚、社長などなど。

 

これたぶんだけど、ふつうの旅行観から外れている。つまり観光としての視点。

けど、僕にとったらこっちの方がその人の人生にダイレクトに入っていくものにつながると思う。というか確信している。

 

旅は素晴らしい。やるかやらないか、だったら絶対やったほうがいい。

旅で無駄なことはひとつもない。ええことでもわるいことでも。

僕を通して、旅をする人が増えたら、僕が表現したいことはもっと伝わっていくようになるかもしれない。僕が旅を通して表現するものは、旅をする人が増えたら共感も増えるかもしれない。最近また人生の実験をしたい思いが募ってきた。

 

来年はリセット。言葉で見せず行動で見せる。