Howtotravel

「旅」と「旅行」について

 

昨日自転車ふたり旅での「ひとり」との違いについて書いたのだけれども、インド・カルカッタのマザーハウスで出会い、その後もずっと見守ってくださっていて、今は素敵な奥さんになった仲間からこんなコメントをもらった。

 

「旅と旅行の違いってなんなんだろう?MASAくんはどう考えてる?」

コメントの返信欄に自分なりの考えを書こうと思ったんだけれど、せっかくなら活動を見てくださっている方にも同じこと考えたことある方もいらっしゃるだろうとここで書いてみようと思う。これは「一般的にはこう」とか「こっちのがいい」とかではなく、あくまで僕が主観として旅と旅行について考えている違いだ。

 

僕にとっての「旅」と「旅行」の違い。

それは行程にある。

 

計画を立て、スケジュールを組み、その通りになぞっていくのが僕にとっては旅行。

フワッとした(あまりキッチリしすぎないという意味で)イメージを頭に描きながら行き先を決めて、いくつかチェックポイントはあるものの、現地の出会いや、旅をしている人と話す中で予定が変わったり、逆にルートが組み上がったり、メリハリをつけながらも流れに身を任せて進んでいくのが旅。

 

もちろん旅行のなかでも予定が変わっちゃうこともあるだろう。旅でも割とかっちりしている人もいるだろう。けどあくまでイメージでとしての僕の考えはこんなとこ。

旅行は、はじめからおわりのサイクルが見えるもので、旅は川のように時に流れが変わるもの。そんな感じ。

 

僕のこれまでで言うと、最初の2年半の旅はまさに「旅」だった。いっぱい怖い思いして、ドキドキして、ええ人にいっぱい出会って、一回だけ恋愛もして、けどストーカーみたいなことになり数ヶ月心が重ーくなったこともあって、高山病で死ぬかと思って、中国で震災ボランティアをして、お金が尽きてネパールでジーンズを作って売って、マザーハウスで自閉症の子どもたちと1ヶ月ちょい共同生活をして、講演のなかでも話すけどまさに「今の僕」をカタチづくっている経験がたくさん生まれた。

 

それから徳島でまちづくりに関わった1年、そのあと1年は東日本大震災の支援活動で福島、それからユーラシア横断を再開。この年から学校授業にLIVE授業で関わるようになる。それと同時にこのころから少しずつ僕の旅が「かっちり」するようになってきた。

スケジュール、行き先、伝えるもの。自分から生まれた感情や気づきを発信だけした最初の頃の旅から、もう少し明確なテーマや設定を持って旅をしたり、発信したりするようになる。

 

この学校教育の動きが今の自分の活動を支えていることは確かで、けれどもそれと同時に旅の良い意味でも悪い意味でもハプニングのようなものが生まれにくくなった。2ヶ月、3ヶ月の遠征を何度か繰り返し、そのときどきはしっかりやってきたけれども、ある時また自分でハッとする。

 

「講演の回数はどんどん増えているし、手応えも感じるようになってきた。けれども講演のなかで話すことが昔の旅にかなりウエイトが置かれていて、最近の旅の内容がそこにあんまり反映されていない。」

それはつまり、僕にとって最近の旅で新たに「伝えたい」ものや出来事が生まれてきていないことを意味していた。これはほんとにハッとしたというか、胸に痛みが走るような思いをした。

 

そして前回は「旅のなかで生きることともう一度向き合いたい」と半年間の旅に出て、見事にアメリカ入国拒否にあったり、豪雨にテントごと流されたり、メキシコでボコボコにされて身ぐるみ剥がされたり、まさに生きることと向き合う旅になった。けれどこんな体験をしたあとで戻った日本の半年でも、また僕はもがくことになる。自分は何がしたいのか、何をするべきなのか、何が自分にとって損得勘定を抜いたライフワークとしてモチベーションにつながることなのか。

 

あんまり書くと本線から脱線してしまうので、このくらいにしておこう。

まとめると、僕にとっての「表現(発信すること)」を前提にした旅では、やはりハプニングが大きな要素をしめていると思う。「思いもよらない展開」というやつだ。

 

そこからしんどい思いもするし、けど受け入れないことには前に進むこともできない。

そのなかでの心模様や自分なりの考え方。それから逆にほんまに思っても見ないような素敵な出会いから旅が急展開することもあるだろう。そういう時って、ほんとに心が動いている。悪い展開の時には揺れ動く。良い展開のときには、飛んでいるように動いている。どちらも心が動いているのだ。

 

ちょっと今回のトピックからずれるかもしれないけれど、旅においても、日本での日常においても誰かの心を打てるような生き方をするために1番重要なことは自分の心が動いていることのような気がしている。逆に心を動かすために、どんどん新たなことを積み重ねていく必要があると思う。それをチャレンジと呼ぶ人もいるし、学びと呼ぶ人もいる。意識して作り上げていく人もいれば、僕の仲間のように直感でつかみ取っていく人もいる。

 

だから「旅行」でも「旅」でもいい。

その人が1番心が動く環境をつくるための方法が旅行スタイルならそれがいいし、旅スタイルならそれがいい。冒険スタイルならそれがいい。

そこにはジャッジなんて存在せんほうがいい。その人が納得できるスタイルで知らない世界に飛び込むことに優劣なんて存在しない。そんな風に僕は考えている。