Oaxaca

インディヘナと呼ばれるスペインに侵略される前からこの地に住んでいた先住民が
多く住むオアハカ。このオアハカ州は先住民の比率がメキシコで一番多いそうだ。
石畳の道路が碁盤の目状に行き交い、四角いカタチをしたソカロ広場を中心として
教会やヨーロッパ風の建築が立ち並ぶ街並みこそ他の都市と同じような印象をうけるが
歩いている人を見ると違いがわかる。

腰までありそうな髪を三つ編みにして、肌が黒く、顔にはどこかアジアに通じるような愛嬌があり、
少しゆったりとした白地のブラウスやワンピースにはひとつひとつ手で縫われた花や紋章などの刺繍が
あしらわれている。彼女たちはこのオアハカに住むインディヘナの人たちだ。

自分で刺繍をしたり、織ったりしたのだろう。手や肩にたくさんの布や刺繍ブラウスを持ち
広場でそれらを売っている。その背中を見ると、まだ赤ん坊の子どもが布でくるんと巻かれて
顔だけ出していたりする。なんだか見ているだけで、少し心がほぐれてくるようだ。

いま、この街は1年で1番盛り上がるイベントを目の前にしている。
ゲラゲッツァ祭。
ゲラゲッツァでは、華やかな伝統衣装を着た女性たちが、このときのために練習しつづけた
素敵な舞踏を踊る大きなフェスティバルだそうだ。うーん、それだけ聞いただけでは僕もまだ
よくイメージが湧かないのだが、徳島で言う阿波踊りみたいな感じなのかと勝手に思っている。
町中ではどんどん会場づくりが進んでいて、この時期はメキシコじゅうからこのゲラゲッツァを観る
ために観光客が押し寄せるのだそうだ。確かに、町を歩いていても、メルカド(市場)を歩いていても
メキシコ人の家族連れの姿をたくさん目にするようだ。

明日からは、この地方の名物料理MOLEのフェスティバル。MOLEとはこの地方で採れるチョコレートの
原料のカカオソースを使った料理。そのあと金曜からはゲラゲッツァがはじまる。
美味しく楽しいとっても盛り上がるイベントが目白押し。


そんな時期にオアハカに来たのは、実は偶然でそんなの全然知らなかった。
むしろ宿について「さすがいい時期に来ましたね!」とオーナーの元自転車旅人のしげお君に
「え?なんで!?」と聞いて、そのあと教えてもらったことと、ガイドブックをもとにこれを書いている。


人生行き当たりバッチリ。せっかくの機会なので、ここでこのあとの旅の計画づくりをしっかりして、
町やまわりを散策しながら祭りを体験しようと思う。