Puebla



テントで目が覚めた。外は明るくなって来ている。頭が重いが起き上がる。
いったい標高どれだけだったんだと、iPhoneのコンパスを立ち上げると3160m。

外の気温は6度だった。これは完全に想定外。ここまで下がるとは。それに昨晩は
何も食べてないで寝たのでカラダの中から熱が湧いてこない感覚。余計に寒く感じた。

テントを片付けてパッキングをして、ダウンジャケットにレインウェアという
格好のまま走り始める。
すぐに頂上だとわかる旗がかかっているのが見えて、売店のようなところが
2軒ほどあってそこから下り始めた。

一気に10kmほど下ったろうか、町が見えて来た。朝のはじまり。
学校に行くような子どもたちや、仕事前に屋台でご飯を食べている人たち。
メキシコではどこにでもいる犬たちは朝からじゃれ合って遊んでいる。

僕も一軒の屋台で朝ごはん。メニューはタマレスと呼ばれるトウモロコシの粉に具を混ぜて、
トウモロコシの葉で包んで蒸したもの。これをなんとパンに挟む。
関西でいうお好み焼きとご飯みたいなものか。これをみんなして、これまたトウモロコシの粉で
とろみのついた少し甘酒に近い味のするあったかい飲み物と一緒に食べている。

僕もみんなのをマネして食べる。あーあったかい。
やっとカラダの中から熱が出てくるのが感じる。

お店のおばちゃんや、車でやってきたお客さんも
「寒かったでしょう」「どこまで行くの?」
なんて声をかけてくれてありがたい。
太陽も出てきてやっと1日のはじまりを感じられた。

メキシコシティでお世話になった家族のオマールからチャットが入った。
「僕の仕事のパートナーのおじさんがPUEBLAに住んでいるよ。
彼がホテルのオファーを申し出てくれているから、
彼のやっている自動車修理工場に行ってみてね」とのこと。
仲間のそのまた親戚のおじさん。オマールさんにもパートナーにもおじさんにも感謝しかない。

地図を頼りにその工場にたどり着き、JESUSというとってもすごい名前のおじさんを呼んでもらう。
出てきたのはほんとにボスという感じの素敵な恰幅のよいおじさん。

「君か!話は聞いているよ。仕事一区切りつけるから待っていてくれ」

とまたかっこよく仕事に戻っていったおじさん。戻ってきてから従業員みんなに僕のことを
紹介してくれて、みんな笑顔で迎えてくれた。ありがとうございます。お世話になります。

ホテルでシャワーを済ませ、ガイドブックにも載っているPUEBLAの旧市街へ歩く。
やはりここも大聖堂のあるソカロ広場を中心として町が広がる。景色はさながらヨーロッパだ。

夕方には徳島県の中学校とのLIVE授業。今回は街を歩きながら中継授業だった。
彼らに実感がともるように、好奇心が引き出されるように。どんな場づくりをしていけるか、
やっている最中も終わってからもそれを考え続けていた。