西 川 自 由 珈 琲【書 店】

だいたい最近は、我が家の前に置いた屋台でコーヒーを振る舞っています。

今までの人生、行きたいところ、会いたい人のところに「行く」ことを続けていた僕が、こうしてコロナをきっかけに

【西川自由珈琲店】として誰かを待つ役割を持ってみたことは、僕の人生では大きな冒険だなぁと思ったりもします。

 

我が家にいらっしゃる方の多くが、僕の本棚をじーっと見つめては手にとってみたり、コーヒーを飲みながら本を読んだり、

それから本を借りていかれます。僕は、本をお渡しするのが好きです。

本はまた手に入るし、自分が読んで何かを感じた本には少なからず自分の心も溶けているように思うのです。 

 

ということで今度の西川自由珈琲店は本屋さん企画をはじめます。

このお店に直接来られない方にも、僕が自分の人生にとって読んでよかったなぁと思える作品たちを

コーヒーとともにお届けしようという自由な古本屋さんです。

 

心にとまる本があればポチッとしてもらえたら、僕のコーヒーとともにあなたにお届けします。

コーヒーで生まれた余白とともに、本を通して世界やあなたと向き合う時間が生まれることを願って。

そしてその本が、ほんの少しでもあなたの人生の栄養になってくれますように。

吉本ばなな&奈良美智【ひな菊の人生】

僕の大好きなおふたり、吉本ばななさんと奈良美智さんのコラボレーション作品です。

ばななさんが書いた小説原稿を読んで、奈良美智さんが絵を描いておられます。

ベルベット調の表紙に、美しい文章のレイアウト、そして小説の内容に沿った奈良さんの絵。

2時間もあれば読めてしまう小説ですが、読書というより体験に近い時間を過ごしていただけると思います。

 

おじさんとおばさんのお好み焼き屋さんで働く主人公のひな菊。

彼女には異国の血が流れるダリアという親友の女の子がいました。

どちらの家庭も家がお店をしているので、夜はひとり家にいることが多い子たち。

寂しくなるとひな菊はリコーダーを吹いて、林の向こうに住むダリアを呼ぶのです。

どんなときでもその音が聞こえると、いちもくさんに駆けつけてくれるダリア、

そんな境遇の似ているふたりは、互いに支え合い少女時代を過ごしました。

 

両親のいないひな菊は、自分を育ててくれたおじさんおばさんの店を継ぎたい気持ちを持ちながら、けれど自分の人生を歩もうとしています。

親戚の家に育ち、居候生活をして、そうしてはじめて自分の部屋というものを借りて暮らしはじめたとき、子どものころともに育ち、いまはルーツの国に戻ったダリアの意識を感じさせる悲しい夢を見ます。

 

決して明るいとは言えない人生。

それでもそのなかで彼女が見つめるのは、かけがえのない誰かと過ごした時間の輝きでした。

これから先のことは分からない。けれどその自分の心に息づいている大切な誰かとの思い出が彼女のこれからに

向かう活力として何度も何度も彼女の背中を押してくれるのです。

 

読み終えたあとに、奈良さんの絵を見るとその瞬間のはかなさが蘇ってきます。

読んでしまってからもずっと本棚にあることで、いつもそこにあることで、自分が必要なときに少し心を軽くしてくれる

そんな作品です。

 

*作品には西川自由珈琲店のドリップパック5個をセットとしてお届けします。

¥1,800

  • Out of stock(売切)

中村文則【教団X】

この本を僕が知ったのは、僕が毎回欠かさずに聴いているスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんの「ジブリ汗まみれ」というラジオ番組からでした。いまさかのぼって聴いてみているのですが、ちょうど5年前のお話でした。

「最近すごいおもしろい小説を読んで、これが世の中にもっと広がらないとおかしいと思って紹介しようと」という鈴木さんのコメントからはじまるラジオ。そこに出てくるのがパワーワードばかりで。

 

「そろそろ世界に言いたいことを言いたいと思って」

「これってもはや小説じゃなくてなんなんだろう」

「これをはじめた人は宗教をはじめようとしていると思った」

「小説ってともすれば自分の意見というのを出さないのに・・・」

「人間とはなんなのかということをこれまでにない物理や科学のアプローチで描きたかった」

「そのためにインドの古典もと物理学を学んだら一緒のことを書いてあった」

「世界のあらゆる多様性を愛したい」

 

もうね。これは読むしかないと思ったわけです。そして読んでおったまげました。なんなんだこれは、と。

 

ふたつの宗教団体が舞台として出てくる小説です。

ひとつは教祖さまというよりもひょうきんなハゲおじいさんを心の拠り所にする人が増えたことで自然発生的に生まれたところ、もうひとつはそこに出入りをしていた男がはじめたすごく常識から逸脱したそれこそ教団っぽいところ。

主人公は自分が好きだった女性を探すために、このふたつの団体と関わることになっていく。。。。という感じのお話です。

 

人の運命を握っているという恍惚感。

自らを開放し快楽に浸るということ。

世界を正しい道に向けたいと思うことは同じでも調和か破壊と再生かを選ぶ人たち。

自分という生から離れる大きな意思としての生。

 

人類みな兄弟とは昔からある言葉ですが、

おなじもの。ちがうもの。

ということから生まれる世界の課題というか大変さというか、たくさんあると思います。

 

僕は自分が生きることで、そして今はコーヒーを通してやっていることは、

この「境界線をあいまいにしたい」ということなのです。みんなおんなじとは僕は言いません。

けれども「コーヒーを一緒に飲む」ということだけでも人は繋がれると信じています。

 

そんな自分にとっては、たとえキレイごとだと片付けられたとしてもこの小説を読んだことは大きな心の慰めになったと感じています。

 

あなたの苦しい気持ちを、また何かを攻撃したり忌み嫌ってしまう気持ちを、少しでも和らげることができたらなら。

そのように中村文則さんはラジオのなかでおっしゃっていました。

 

とても長い小説ですが、僕はそれこそ初めてのとき没頭して読み切ってしまいました。

 

この小説とともに中村文則さんがゲストとして出ている鈴木敏夫さんのラジオもほんとにおすすめ!

是非聴いてみてくださいね!

 

鈴木敏夫のジブリ汗まみれ

https://www.tfm.co.jp/asemamire/index.php?catid=173

↑2016年1月13日のところをクリックしてみてください。PCもスマホもそこから聴けます。

 

*本は西川自由珈琲店のドリップパック5個とともにお送りさせていただきます。

あなたの読書の時間が、美味しいコーヒーとともに素晴らしいものになりますように。

¥1,500

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よしもとばなな【デッドエンドの思い出】

よしもとばななさんの短編集です。出品するにあたって久しぶりに読み返してみました。

この本は一時期の僕がいつでも読めるようにいつも手元に置いていたものなのです。

長い自転車旅にも日本から一緒に持ち出していたことを覚えています。

 

どの作品に出てくる登場人物たちも、同じように逃げられない宿命を背負っています。それは生まれたときから自分についてまわる、言うなればカラダに染みこんだアザのようなものかもしれません。それはいつも彼らの見えるところに、それからそのまわりの人にとっても目につくところにあるのです。

 

それは残酷な運命なのかもしれません。けれどそれも含めてこの作品に出てくる主人公たちは、そのことを大きく受け止めながら、またはそれを受け止める出来事と出会いながら、それを包み込んでいきます。それすらも自分の人生の一部として愛していくように。

 

それは人生のゴールといえるような明るいものではなく、ほんの些細なできごとなのです。けれども人生をあとから振り返ったときに、その一点が自分の人生をあたたかく照らしてくれるような、そんな人生の小さな明かりをどの登場人物も宿して現実を生きています。

 

それは信じるというよりも、祈りのようなものだなと思いました。

祈りながら生きることで、その祈りが彼らの人生のなかに小さく、けれど確かにその人の魂を、存在を照らすものなのです。

 

きっとあなたの心を癒やしてくれるような、そんな作品がこのなかにあると思います。

僕自身ひさしぶりに読み返してみて、なんども気持ちが溢れそうになりました。

そんな魔法のようなものが、この作品には宿っているように思います。

 

*お届けする本には、ドリップパック5個がセットになっています。

 

どうかこのコーヒーがあなたの読書の時間を心地よくあたたかいものにしてくれますように。

 

 

¥1,500

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天童荒太【歓喜の仔】上下巻セット

天童荒太さんの家族を描いた小説です。吉本ばななさんの小説と同じく、彼の作品もぼくはほとんど読んでいます。

全体的には暗いテーマのものが多いですが、それはつくりものというよりも僕も含めてすべての人のなかにある【自分では見つめたくないなにか】をあぶり出すような、自分のものを見つめるにはちょっとしんどいんだけれど、この本を読むことで文章をとおして自分のそこに少しだけアプローチできるような、そんな気がするのです。なので天童さんも大好きな作家のひとりです。

 

歓喜の仔。これもテーマとしては重たいものです。

円満だったはずの家族が、小さなひっかかりから崩壊。父は疾走し、母は植物状態となってしまいました。

しかし残された子どもたちは誰の手も借りずに、自分たちのチカラで生きていきます。さまざまな困難と向き合いながら。

 

長男はそんな現実の逃げ道として自分の中に物語を持っています。

自分はその主人公。紛争地帯で重要な役割を担っている。だからこそあきらめるわけにはいかない。

その物語を生きながら現実の無情さのなかを生きています。

弟は世界の色をなくすことで、妹は見えない存在と話すことでそれぞれに現実と向き合っています。

 

どうしよう、どうしよう。と読みながら少し重く感じていくのですが、最後にしっかり光を見せてくれます。

それはどんなことがあろうとも「ともに生きる」ことができれば、前に進むことができる。

そしてそこには愛がある。どんなにつらくとも愛を持ち歩んでいこう。

 

僕はあまり小説では感情移入しないほうだと思うのですが、最後のこの家族の姿になんだか

「あーよかったなぁ」と思いながら自分が慰められているようなそんな気持ちになりました。

 

¥0

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よしもとばなな 王国(1巻〜3巻)

「よしもとばななさんと友だちになりたい」それは僕の長年の夢でした。

 

彼女の小説に出会ったのは僕が高校生のとき、それまで本なんて読んだこともなかった僕が、3年で部活を引退して、ふと部屋を片付けていたときに出てきたのは、ばななさんの「キッチン」でした。あとがきだけ書き写して、読書感想文を書くために買ったものでした。

 

その本を何気なく開いたとき、気づいたらあたりは真っ暗になっていました。その日から僕は本の虫のようになり、毎日図書館に出かけては、ばななさんの作品を借りて読んでいたのです。彼女の世界観には「自分がそれまで言葉にできなかった、けれど自分のなかに息づいていたなにか」があります。

 

それを読むことは自分にとって生きることを慰められているような、どこかに自分のことを分かってくれている人がいて、自分はこの自分のなかにある世界を信じてもいいんだ、そんなふうに思っていたのです。

 

僕が何年もバイブルにしていたものがこのばななさんの「王国」でした。

山の上で薬草を使って人を癒やす生活をしていたおばあちゃんと孫。あるとき山の生態系のバランスが崩れてしまって、おばあちゃんは「ここの薬草はもう使うことができない」と判断してその生活をやめてしまいます。今までばあちゃんの人を癒やす仕事のアシスタントを生きがいとして生きてきた孫娘の「自分の人生」の物語がはじまります。

 

モノと意識。植物のネットワーク。そして自分の持つ資質に気づくこと。

それは僕のこれを読んでからの意識に大きく作用しています。そんな素晴らしい作品です。

 

1巻から3巻のセットです。

裏表紙にダメージがあるのでその分お安くしております。ご了承ください。

 

*この本は西川自由珈琲店の珈琲とともにお届けします。メッセージ欄に希望のコーヒーも書いてください。

ドリップバッグの場合は5つ。粉か豆の場合には100gバッグとともに本をお届けします。

¥0

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